インターネット通販の法律問題

 

 近年、食品に関するインターネット通販は大きく広がっていますが、インターネット通販特有の法律問題も存在します。ここでは、インターネット通販特有の法律問題の概要をご紹介します。

契約の成立時期

 インターネット通販における、商品の売買契約はいつ成立するのでしょうか。 

 電子的な方式による契約の承諾通知は極めて短時間で相手方に到達するため、電子契約は、承諾通知が申込者に到達した時点で成立すると電子契約法に定められています。

 ここでいう「到達」とは、相手方が通知に係る情報を記録した電磁的記録にアクセス可能となった状態をいいます。
 インターネット通販においては、具体的には、以下のいずれかの時点で売買契約が成立することになります。

ⅰ 承諾通知が電子メールによって送信される場合は、通知に係る情報が受信者(申込者)の使用に係るまたは使用したメールサーバー中のメールボックスに読み取り可能な状態で記録された時点

ⅱ 承諾がウェブ画面でなされる場合は、ウェブサーバーに申込みデータが記録され、これに応答する承諾データが申込者側に到達した上、申込者のモニター画面上に承諾通知が表示された時点

 もっとも、ウェブサイトの利用規約等に契約の成立時期が規定されている場合は、その拘束力が認められる限り、当該規約等によることとなります。

消費者の操作ミス

 BtoCの電子契約では、操作ミスによる消費者の申込みの意思表示が表示の錯誤(民法95条1項1号)に当たる場合、消費者の重過失の有無にかかわらず、原則として取り消しうるものとなります(電子契約法3条本文)。

 もっとも、以下の①②のいずれかに該当する場合には、事業者は契約が有効であることを主張できます。

 ①消費者が申込みを行う前に、消費者の申込内容等を確認する措置を事業者側が講じた場合
 ②消費者自らが確認措置が不要である旨意思の表明をした場合で、消費者に重大な過失がある場合

 ①の確認措置としては、申込みを行う意思の有無及び入力した内容をもって申込みにする意思の有無について、消費者に実質的に確認を求めていると判断し得る措置になっている必要があります。例えば、あるボタンをクリックすることが申込みの意思表示となることを消費者が明確に確認することができる画面を設定することなどの措置がこれに当たります。

 ②の意思表明は、消費者が自ら望んで確認措置が必要ではないと積極的に選択する必要があり、その認定は慎重になされます。例えば、事業者によって同意するよう強制されたり、意図的に誘導されたりしたような場合には、消費者の「意思の表明」には当たらないと考えられますので注意してください。

自動継続条項の有効性

 オンライン販売においては、利用契約中に自動継続条項が設けられ、これにより、消費者の新たな申込みまたは承諾なしに、継続にかかる売買契約が成立するとされている場合があります。しかし、このような自動継続条項は、規定の仕方によっては、消費者契約法により無効とされることがあります。

 消費者契約法は、①一般的な法理等と比べて、消費者の権利を制限し、または消費者の義務を加重する条項で、②民法の基本原則(信義則)に反して消費者の利益を一方的に害するものについては、無効としています(消費者契約法10条)。

 自動継続条項は、自動継続後の個別の消費者の申込みまたは承諾なしに売買契約を成立させるため、①の要件に該当すると判断される可能性があります。

 また、消費者に契約を更新しないという意思表示をする機会を実質的に与えないまま更新される内容となっている場合には、自動継続条項は②の要件にも該当するとして、無効となる可能性が高いと考えられます。

 したがって、事業者の方は、当初の申込画面に自動継続条項の内容を明記するなど、消費者が利用規約の内容を容易に確認できる状態にしておくことが重要です。

 その他、自動継続条項は、詐欺や錯誤、公序良俗等との関係でも問題となります。

なりすまし

 インターネット通販のような電子商取引は、非対面の取引ですので、他人になりすまして行為が行われることがあり得ます。このようななりすましがなされた場合に、本人と事業者との間の契約が成立するのでしょうか。

 民法では、代理権のない第三者がした意思表示については、原則として、本人に効果が帰属しません(つまり、原則として本人と事業者との間に契約は成立しません)。しかし、民法は、代理権があるかの如き外観の存在、相手方の代理権の不存在についての善意無過失、本人の帰責事由を要件として、例外的に本人に効果帰属する場合を認めています(民法109条~112条)。電子商取引においても、このような場合については、本人と事業者との間に契約が成立することとなります。

 一方、継続的な契約関係がある当事者間においては、なりすましがあった場合にも本人に効果帰属する旨の特約が利用規約等に定められている場合があります。しかし、このような特約の有効性は否定される可能性があるので注意が必要です。

まとめ

 以上のとおり、インターネット通販特有の法律問題の概要をご紹介しました。
 下記のいずれかに該当する事業者の方がいらっしゃいましたら、ご遠慮なくご相談ください。

  • 食品のインターネット通販を行うにあたり、どのような内容の利用規約を準備すればいいか知りたい事業者の方
  • その他インターネット通販等の規制について不安がある事業者の方

お問い合わせフォームまたはお電話にてお問い合わせください。 TEL:03-3597-5755 予約受付時間9:00~18:00 虎ノ門カレッジ法律事務所 お問い合わせはコチラをクリックしてください。

法律相談のご予約はお電話で(予約受付時間9:00~18:00) TEL:03-3597-5755 虎ノ門カレッジ法律事務所