契約関連

食品・飲食事業は、多くの取引先との関係のうえに成り立っています。原材料の仕入先、製造を委託する工場、商品を届ける卸売先や小売店、店舗の貸主、設備や清掃の業者など、日々の事業運営のなかで数多くの契約関係が生じます。それぞれの取引には固有のリスクがあり、契約書はそのリスクを事前に整理しておくための手段です。
食品事業で問題になりやすいものとして、製造委託(OEM)契約があります。自社ブランドの商品を外部の工場に製造委託する場合、製品の品質基準や検品の方法、原材料の指定、不良品が発生したときの責任の所在など、取り決めておくべき事項は多岐にわたります。とくに、製造過程で異物混入などの品質事故が起きた場合には、リコール対応の費用負担や取引先・消費者への損害賠償の責任を委託元と製造元のどちらがどこまで負うのかが問題になります。こうした点は、契約書にどのような定めが置かれているかによって結論が大きく左右されることがあり、トラブルが起きてから契約書を見直しても手遅れになりかねません。
原材料の売買契約や取引基本契約においても、食品事業ならではの検討事項があります。産地や規格の指定、納品のタイミング、返品の条件に加え、感染症の拡大や国際的な紛争、異常気象といった事情により原材料が予定どおり調達できなくなった場合にどう対応するかも、あらかじめ契約のなかで整理しておきたい問題です。代替品の調達や価格の改定、納期の猶予、場合によっては契約の解除など、不測の事態が生じたときの取決めがなければ、当事者間で認識が食い違い、トラブルに発展するおそれがあります。取引の開始時に基本契約書を整備しておくことで、個々の発注ごとに条件を確認し直す手間を省くとともに、こうした万が一の場面での対応も明確にしておくことができます。
フランチャイズ契約も、飲食事業では重要なテーマです。加盟金やロイヤリティの算定方法、テリトリー権、商標やノウハウの使用条件、契約終了後の競業避止義務など、長期にわたる契約関係のなかで問題となりうる論点は幅広く、加盟する側・展開する側それぞれの立場に応じた検討が必要です。
このほか、秘密保持契約(NDA)、商標のライセンス契約、業務委託契約、ECモールへの出店に関する契約など、事業の展開に伴い検討が必要となる契約は増えていきます。
契約に関するご相談は、契約書が出来上がった段階でのチェックだけではありません。取引条件の交渉の段階から弁護士が関わることで、ある条項を受け入れた場合にどのようなリスクが生じるのか、どの部分について修正を求めるべきかといった点について、法的な見通しを踏まえた判断がしやすくなります。とくに相手方から提示された契約書をベースに交渉を進める場合には、条項の意味やリスクを正確に把握したうえで交渉に臨むことが重要です。
当事務所では、契約書の新規作成やリーガルチェック、取引条件の交渉に関するアドバイスから、契約をめぐるトラブルが生じた際の対応まで、契約に関するご相談を幅広くお受けしています。

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