営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設について~改正食品衛生法⑤~

はじめに

 食を巡る環境の変化等に応じて食品の安全を確保すべく、食品衛生法が平成30年に大きく改正され、令和3年6月に完全施行されました。そのため、食品等事業者の皆様は、改正法に対応した体制を整えることが求められます。

 そこで、本ページでは、食品衛生法の平成30年に改正された事項の内、営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設(食品衛生法54条ないし57条等)について、解説していきます。

 施行期日は公布日(平成30年6月13日)から3年以内(食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)附則1条柱書但書、1条3号)とされ、政令(令和元年政令121号)により、令和3年6月1日と定められました。

 経過措置については後述します(「4 経過措置」参照)。

 

改正の経緯・概要

(1) 営業許可制度の見直し

 改正前の営業許可制度における要許可業種が実態に合わないことや、食中毒のリスク、食品衛生法131項の規格基準の有無、過去の食中毒の発生状況などを踏まえ、営業許可を要する業種が再編され、公衆衛生に与える影響が著しい営業(食鳥処理の事業を除く)として、32業種が指定されました(食品衛生法54条、食品衛生法施行令35条各号)。

 また、営業許可を受けるには、営業施設の基準を充足する必要があるところ(食品衛生法55条2項柱書本文)、改正前における営業施設の基準は、各都道府県が「業種別」に営業施設の基準を条例で定めていたため、自治体ごとに基準が異なり、全国展開する飲食店等への負担となっていました。

 そこで、食品衛生法54条は、基準の統一化を図るため、条例で公衆衛生の見地から必要な基準を定めるに当たっては、厚生労働省令(食品衛生法施行規則66条の7、別表19ないし21)を参酌することとしました。これにより、各都道府県は、全国的な基準を基礎に据えつつ、地域の実情に合わせた施設基準を定めることになります。この参酌基準の導入を受けて、各自治体は施設基準を定めた条例を改正しています。  

 詳細については、各自治体のウェブサイト等をご参照下さい。

(2) 営業届出制度の創設

 改正前は、許可が必要な業種以外について、自治体ごとに届出制度を設けるなど、対応が異なりました。しかし、HACCPに沿った衛生管理制度の創設により、原則としてすべての営業者にHACCPに沿った衛生管理を求めるためには、営業許可の対象外の営業者であっても、行政がその所在を把握し、指導等を行う必要性があります。  そこで、平成30年の食品衛生法の改正では、営業許可を必要とする営業者以外の営業者に届出を要求することになりました(食品衛生法57条1項)。営業許可業種以外の営業のうち、「公衆衛生に与える影響が少ない営業で政令で定めるもの」及び食鳥処理事業以外の営業の営業者は、営業届出の対象となります(食品衛生法571項、食品衛生法施行令35条の2)。

 

営業許可の対象業種の見直しの概説・注意点

 コンビニやスーパーマーケットなどを中心に、一つの店舗で複数業種を扱う店舗が増加傾向にあります。しかし、改正前は、業種ごとに許可を得ることが要求されていたため、一つの営業施設で複数の営業許可を取得しなければならないということが常態化していました。

 そこで、改正法においては、原則として一施設一許可となるよう、一つの許可業種で取り扱える食品の範囲が拡大され、原材料や製造工程が共通する業種が統合されました。

 以下では、改正により食品衛生法施行令35条で規定された32業種の内、特に重要な事項について、改正に伴う注意点とともに解説していきます。

 なお、営業許可業種の改正や営業届出制度については、令和元年12月に「食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政省令の制定について」という通知(1)(以下、「令和元年12月通知」といいます)が出されています。また、厚生労働省は、ホームページにおいて、「営業許可業種の解説」(2)(以下、「営業許可業種の解説」といいます)や「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関する QA」(3)(以下、Q&Aといいます)という文書も公開しています。以下、これらの文書を適宜引用しますので、ご参照ください。

1「食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政省令の制定について」(令和元年1227日付け生食発12272号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11131500/000582226.pdf

2 厚生労働省「営業許可業種の解説」

https://www.mhlw.go.jp/content/000772317.pdf

3 厚生労働省「営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設に関する QA」(最終改正:令和3年8月 26 日)

https://www.mhlw.go.jp/content/000772503.pdf

・飲食店営業(食品衛生法施行令35条1号)

 飲食店営業という文言の定義が不明瞭であったところ、平成30年の改正により「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」(食品衛生法施行令34条の2第2号括弧書)と定義されました。改正に伴い、喫茶店の文言が法令上から完全に削除されましたが、旧第2号の喫茶店営業は、「飲食店営業」に統合されることとなりました(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(1)参照)。飲食店営業の対象となる「調理」とは、その場で客に飲食させるか、又は、短期間のうちに消費されることを前提として、一応摂食しうる状態に近くなった食品を変形したり他の食品を附加したり、あるいは調味を加えたりなどして飲食に最も適するように食品を加工成形することをいいます(上記1「令和元年12月通知」の同箇所参照)。

 飲食店営業のうち、簡易な営業については、飲食店営業の施設基準()を一部緩和する規定が置かれています(食品衛生法規則別表19の五ロ)。簡易な飲食店営業の対象となる調理の具体例としては、

① 既製品(そのまま喫食可能な食品)を開封、加温、盛り付け等して提供する営業(食品例:そうざい、ハム、ソーセージ、スナック菓子、缶詰、おでん等)

② 半製品を簡易な最終調理(揚げる、焼く等)を行い提供する営業(食品例:唐揚げ、フライドポテト、ソフトクリーム等)

③ 米飯を炊飯、冷凍パン生地を焼成する営業

④ 既製品(清涼飲料水、アルコール飲料等)及び既製品以外の自家製ジュース、コーヒー等の飲料を提供する営業

などが想定されています(上記1「令和元年12月通知」の同箇所参照)。

 なお、学校、病院その他の施設において、継続的に不特定又は多数の者に食品を供与する集団給食施設の設置者又は管理者については、営業許可ではなく、営業届出の対象となります(食品衛生法683項で57条を準用。1回の提供食数が 20 食程度未満の、少数特定の者に食品を供与する営業以外の施設は届出も不要。上記1「令和元年12月通知」の別添第2、2、ア参照)。ただし、これら施設が外部事業者に調理業務を委託している場合は、受託事業者は通常の営業者と同様に飲食店営業の許可を取得しなければなりません。

 また、あんまんじゅう、肉まんじゅう等まんじゅうの既製品を蒸して販売する行為については、従来の取扱いを踏襲し、飲食店営業としては取り扱わず、営業届出の対象となります(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ、(1)参照)。

 麺を製造し、これを調理し提供する施設については、飲食店営業の許可を要することとし、麺類製造業(24号)の許可を重ねて取得する必要はありません(ただし、同様の施設において、継続的に、製造した麺を包装し販売する場合は、麺類製造業の許可が必要となります。上記1「令和元年12月通知」の同箇所参照)。

営業許可の対象施設の施設基準(営業食品衛生法54条)については、食品衛生法施行令35条各号に掲げる営業(2号の調理機能付き自販機による営業及び2号の集乳業を除く)に共通する事項は食品衛生法規則別表19、食品衛生法施行令35条各号に掲げる営業ごとの個別基準は食品衛生法施行規則別表20、生食用食肉又はふぐを取り扱う営業に係る施設が満たすべき基準は同別表21で定められています(食品衛生法施行規則66条の7)。

・調理機能を有する自動販売機による営業(食品衛生法施行令35条2号)

 調理機能を有する自動販売機とは、容器包装に入れられず、又は容器包装で包まれない、むき出しの状態の食品が機械内部の部品等と直接接触するものを想定しており(食品衛生法施行令34条の2の2号参照)、それ以外の自動販売機は営業届出の対象となります。

 また、調理機能を有する自動販売機であっても、「容器包装に入れられず、又は容器包装で包まれない状態の食品に直接接する部分を自動的に洗浄するための装置その他の食品衛生上の危害の発生を防止するために必要な装置」がある屋内の自動販売機については、例外的に営業届出の対象となります(食品衛生法施行令352号括弧書)。

 上記以外の、部品等が直接食品に接触する機種であって、自動洗浄装置等の危害防止のための「高度な機能」を有していない機種又は有しているが屋外に設置されている機種による営業が、営業許可の対象となります(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(2)参照)。なお、このような「高度な機能」の条件を満たす自動販売機の機種のリストについては、通知が出されています(:ただし、令和4年729日時点のもの)。

「「高度な機能」の条件を満たす自動販売機の機種のリストについて(リストの更新)」令和488日付け薬生食監発 0808 第1号

https://www.mhlw.go.jp/content/000974133.pdf

・食肉販売業(食品衛生法施行令35条3号)

 食肉販売業とは、鳥獣の生肉(骨及び臓器を含む)を販売する営業をいい、そのうち、食肉を専ら容器包装に入れられた状態で仕入れ、そのままの状態で販売するものは営業許可の対象から除かれ(3号括弧書)、営業届出の対象となります。 「容器包装に入れられた」状態であれば、食品本体に触れる行為が伴わないことから、食品衛生上のリスクが高くはないからです。

 これに対し、「容器包装に包まれた」状態、例えば加工紙やアルミホイル等の平面的なものにおおわれた程度の遮蔽性が十分に確保されていない場合には、依然として食品衛生上のリスクが認められるため、「食肉販売業」として営業許可を取得する必要があります(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(3)参照)。なお、食肉販売業の許可を受けた施設で、未加熱のとんかつ、メンチカツ、コロッケ等の半製品を調整する場合は、飲食店営業の許可は不要ですが、これら半製品を調理し、完成品を調理販売する場合は、簡易な飲食店営業の許可が必要になります(上記1「令和元年12月通知」の同箇所参照)。

・魚介類販売業(食品衛生法施行令35条4号)

 魚介販売業とは、店舗を設け、鮮魚介類(冷凍したものを含む)を販売する営業をいい、改正により「鮮魚介類」に冷凍した魚介類が含まれることが明確化されました(4号括弧書)。魚介類販売業の許可を受けた施設で、附帯的に魚介類を茹でる、焼くなどの調理を行うことは差し支えありません(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(4)参照)。

 また、3号の食肉販売業の場合と同じく、鮮魚介類を専ら容器包装に入れられた状態で仕入れそのままの状態で販売する営業は、営業許可の対象から除かれ(4号括弧書)、営業届出の対象となります。「容器包装に入れられた」の考え方は、3号と同様です。

 なお、魚介類を生きているまま販売する営業(4号括弧書で除外)は、「水産業における食品の採取業」に該当し、食品衛生法上の「営業」に当たらず(食品衛生法47項但書)、営業届出の対象にもなりません(個々の事例が採取業に該当するか否かについては、参照)。

 魚介類の競り売り営業(4号括弧書で除外)については、5号で営業許可の対象となっています(食品衛生法施行令5号、食品衛生法規則66条の8)。

「農業及び水産業における食品の採取業の範囲について」(令和3422日付け薬生食監発 0422 12 号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000774306.pdf

・集乳業(食品衛生法施行令35条6号)

 集乳業とは、生乳を集荷し、これを保存する営業をいいます。ここで、「生乳」とは、搾乳後に殺菌等の処理が行われていない動物の乳を指し、近年の食に提供される動物乳の多様化に合わせて、旧第9号において規定されていた生牛乳又は生山羊乳よりも広く対象とされることになりました(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(6)参照。「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和 26 年厚生省令第52 号。以下、「乳等省令」といいます)2条2項にいう「生乳」の定義と異なることに注意)。あくまで動物乳を対象としているので、大豆を原料とする豆乳は含まれません(上記2「営業許可業種の解説」の「集乳業(第6号関係)」参照)。

・乳処理業(食品衛生法施行令35条7号)

 乳処理業とは、生乳を処理し、若しくは飲用に供される乳の製造(7号においては、小分けを含む)をする営業又は生乳を処理し、若しくは飲用に供される乳の製造をし、併せて乳製品(飲料に限る)若しくは清涼飲料水の製造をする営業をいいます。6号と同じく、近年、牛乳や山羊乳以外の動物乳が食用に供されている状況にかんがみて、広く生乳又は乳を対象としています。 

 また、処理と製造の対象の明確化も図られ、製造可能な食品に清涼飲料水が追記され、「乳処理業」、「乳製品製造業(13号)」及び「清涼飲料水製造業(14号)」において製造可能な食品は次のようになりました(「営業許可業種の解説」の「乳処理業(第7号関係)」)。

 

 

乳製品(飲料)

乳製品

(飲料以外)

清涼飲料水

生乳使用

生乳不使用

生乳使用

生乳不使用

乳処理業

×

乳製品製造業

×

×

×

清涼飲料水製造業

×

×

×

×

                               (◯:製造可能、×:製造不可能)

・菓子製造業(食品衛生法施行令3511号)

 平成30年の改正により、従来の菓子製造業(旧3号)とあん類製造業(旧4号)が統合されました。

 ここでの菓子製造業は、菓子(パン及びあん類を含む)を製造する営業をいい、26号(複合型そうざい製造業)及び28号(複合型冷凍食品製造業)の営業を除いたものです。社会通念上菓子の完成品とされる商品の製造についての規定であり、菓子の原料である菓子種の製造業はこれに含まれません。

 菓子製造業の営業許可を受けた施設で、客が購入した菓子やパンに飲料を添えて施設内で提供する場合であっても、飲食店営業(1号)の許可を別に取得する必要はありません(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(11)参照)。

 また、菓子製造業の許可を受けた施設で調理パンを製造する場合、そうざい製造業(25号)又は飲食店営業(1号)の許可は必要ありません(上記1「令和元年12月通知」の同箇所参照)。

・乳製品製造業(食品衛生法施行令3513号)

 乳製品製造業とは、乳等省令213項に規定する乳製品(同条21項に規定するアイスクリーム類を除く。アイスクリーム類の製造業については、食品衛生法施行令3512号が営業許可業種としています)及び41項に規定する乳酸菌飲料のうち、無脂肪固形分3.0%未満を含むものを製造する営業のことです(食品衛生法施行規則66条の9)。

 改正前の規定における「牛乳に類似する外観を有する乳飲料」の定義が曖昧であったことから、かかる表現は削除され、乳製品に該当する具体的な食品は乳等省令によって規定されることになりました。

 なお、乳製品のうち固形物(バターやチーズ等)の小分けについては、小分け製造業(31号)の対象となります。

・清涼飲料水製造業(食品衛生法施行令3514号)

 清涼飲料水製造業とは、生乳を使用しない清涼飲料水又は生乳を使用しない乳製品の製造(小分けを含む)をする営業のことです。平成30年の改正により、生乳を使用しない乳酸菌飲料や乳飲料の製造も可能となりました(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(14)参照)。

・食肉製品製造業(食品衛生法施行令3515号)

 食肉製品製造業とは、ハム、ソーセージ、ベーコンその他これらに類するもの(以下、「食肉製品」といいます)を製造する営業又は食肉製品と併せて食肉若しくは食肉製品を使用したそうざいを製造する営業のことです。一施設一許可という改正趣旨に鑑みて、従来の食肉製品製造業で製造可能とされていた食肉製品に加え、これらと併せて食肉や食肉製品を使用したそうざいに関しても製造することが可能となりました。

 食肉製品製造のための食肉の細切・分割については、別に食肉処理業の許可を取得する必要はありません(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(15)参照)。

・水産製品製造業(食品衛生法施行令3516号)

 平成30年の改正で新設された条文です。

 16号が対象とする水産製品製造業は、水産動物等(魚介類その他の水産動物若しくはその卵)を主原料とする食品を製造する営業に加え、当該食品と併せて当該食品若しくは水産動物等を使用したそうざいを製造する営業をいい、第26号(複合型そうざい製造業)及び第28号(複合型冷凍食品製造業)の営業を除いたものです。水産動物は、魚介類以上に広い用語であるものの、わかめ等の海藻類は含まれません(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(16)参照)。

 従来の「魚肉ねり製品製造業」(旧16号)の規定が削除され、当該製造業の対象とされていた蒲鉾やちくわなども、16号の対象に含まれることになりました(上記2「営業許可業種の解説」の「水産製造業(第16号関係)」参照)。

・液卵製造業(食品衛生法施行令3518号)

 平成30年の改正で新設された条文です。

 液卵製造業とは、鶏卵から卵殻を取り除いたものの製造(小分けを含む)をする営業のことです。液卵とは、鶏卵の卵殻を割ってその内容物のみを集めたもので、卵白だけのものや、卵黄だけのものを製造する場合も対象となります(上記2「営業許可業種の解説」の「液卵製造業(第18号関係)」参照)。

・食用油脂製造業(食品衛生法施行令3519号)

 平成30年の改正により、従来の食用油脂製造業(旧23号)とマーガリン又はショートニング製造業(旧24号)が統合されました(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(19)参照)。

・みそ又はしょうゆ製造業(食品衛生法施行令3520号)

 平成30年の改正により、従来のみそ製造業(旧25号)としょうゆ製造業(旧26号)が統合されました(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(20)参照)。

 また、みそ又はしょうゆを主原料とする食品(20号括弧書)として、粉末みそ・液体みそ・調味みそ等のみそ加工品や、つゆ・たれ・だし入りしょうゆ等のしょうゆ加工品(しょうゆの原料に占める割合が5%以上のもの(製造時に転化した水は原料として換算しない)に限る)が製造できるようになりました(上記1「令和元年12月通知」の同箇所参照)。

・酒類製造業(食品衛生法施行令3521号)

 酒類製造業とは、酒類の製造(小分けを含む)をする営業のことです。

 平成30年の改正により、本号では、旧28号について、酒類の製造に小分けが含まれることが明確化されました。

・豆腐製造業(食品衛生法施行令3522号)

 豆腐製造業とは、豆腐を製造する営業又は豆腐と併せて豆腐若しくは豆腐の製造に伴う 副産物を主原料とする食品を製造する営業のことです。

 平成30年の改正により、旧29号の営業に加えて、豆腐又は豆腐の製造に伴う副産物を主原料とする食品として、焼豆腐、油揚げ、生揚げ、がんもどき、ゆば、豆乳(密封・密栓された清涼飲料水たる豆乳を除く)、おからドーナツ等を製造する営業が含まれることになりました(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(22)参照)。

・そうざい製造業(食品衛生法施行令3525号)

 そうざい製造業とは、通常副食物として供される煮物(つくだ煮を含む)、焼物(いため物を含む)、揚物、蒸し物、酢の物若しくはあえ物又はこれらの食品と米販その他の通常主食と認められる食品を組み合わせた食品を製造する営業をいい、15号(食肉製品製造業)、16号(水産製品製造業)、22号(豆腐製造業)、26号(複合型そうざい製造業)、27号(冷凍食品製造業)及び28号(複合型冷凍食品製造業)の営業を除いたものです。

 平成30年の改正により、旧32号の営業に加えて、そうざいに米飯やパンを組み合わせた食品(おにぎり弁当やサンドイッチなど)を製造する営業が含まれることが明確化されました。

 なお、そうざいには、例えば、衣をつけるなどの加工はされているものの油で揚げていないコロッケ等のように、喫食するには購入者等による最終的な調理が必要な、いわゆるそうざい半製品が含まれます(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(25)参照)。

 食肉製品と水産製品の製造に付随したそうざい製造を行う場合には、それぞれ15号・16号の営業に含まれますので、別にそうざいの製造業の許可を取得する必要はありません。

・複合型そうざい製造業(食品衛生法施行令3526号)

 平成30年の改正で新設された規定です。

 「複合型そうざい製造業」とは、「そうざい製造業」(25号)と併せて、「食肉処理業」(9号)、「菓子製造業」(11号)、「水産製品製造業」(16号。ただし、魚肉練り製品(魚肉ハム、魚肉ソーセージ、鯨肉ベーコンその他これらに類するものを含む)を製造する営業を除く)又は「麺類製造業」(24号)に係る食品を製造する営業のことを指します(26号括弧書)。

 本号により、「そうざい製造業」を行う者が、通常の「そうざい製造業」より高度な衛生管理である「HACCPに基づく衛生管理」(食品衛生法5112号)を行うことを前提に()、「食肉処理業」、「菓子製造業」、「水産製品製造業」(魚肉練り製品を製造する営業を除く)、「麺類製造業」に関する営業許可を取得することなく、これらの食品の製造を行うことができます。

HACCPに基づく衛生管理」の概要や通常の「そうざい製造業」が「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」で足りることについては、「HACCPに沿った衛生管理の制度化~改正食品衛生法②~」を参照してください。

・冷凍食品製造業(食品衛生法施行令3527号)

 平成30年の改正で再編された規定です。

 冷凍食品製造業とは、「そうざい製造業」(25号)に係る食品を製造し、その製造された食品の冷凍品を製造する営業のことをいい(小売販売用に包装された農水産物の冷凍食品を含む。上記1「令和元年通知」の別添第1、1、(27)参照)、28条(複合型冷凍食品製造業)の営業を除いたものです。

 麺や菓子の冷凍食品を製造する場合は、麺類製造業又は菓子製造業の許可の取得のみで製造が可能です(ただし、麺類製造業又は菓子製造業の施設基準に加え、食品衛生法施行規則別表19の5(その他)の ホの要件を満たす必要があります)。

・複合型冷凍食品製造業(食品衛生法施行令3528号)

 平成30年の改正で新設された規定です。

 「複合型冷凍食品製造業」とは、「冷凍食品製造業」(27号)と併せて「食肉処理業」(9号)、「菓子製造業」(11号)、「水産製品製造業」(16号、魚肉練り製品を製造する営業を除く)、「麺類製造業」(24号、冷凍品に限る)に係る食品を製造する営業のことをいいます。

 26号同様、高度な「HACCPに基づく衛生管理」が実施されることを前提に、「食肉処理業」、「菓子製造業」、「水産製品製造業」(魚肉練り製品を製造する営業を除く)、「麺類製造業」に関する営業許可の取得が免除されます。

・漬物製造業(食品衛生法施行令3529号)

 平成30年の改正で新設された規定です。

 漬物を製造する営業又は漬物と併せて漬物を主原料とする食品を製造する営業をいいます。

・密封包装食品製造業(食品衛生法施行令3530号)

 過去の食中毒事故などを踏まえ、平成30年の改正で再編された規定です。

 密封包装食品製造業とは、密封包装食品(レトルトパウチ食品、缶詰、瓶詰その他の容器包装に密封された食品をいう)であって、その保存に冷凍又は冷蔵を要しないものを製造する営業のことです。本号の新設により、旧第 27 号のソース類製造業の営業許可の対象とされていた食品のうち、容器包装に密封され常温で保存が可能なものを製造する営業は本号の対象となり、ソース類製造業は廃止されました(上記1「令和元年12月通知」の別添第1、1、イ(30)参照)。

 冷凍又は冷蔵を要することなく相当期間にわたって保存することを目的とし、気体透過性が低い缶・びん・レトルトパウチ等の容器に内容物を充填・密栓した食品(常温保存に限る)であって、公衆衛生上のリスクが高い食品、又は過去に重大な食中毒の原因となった食品(pH値が4.6以下又は水分活性が0.94以下の食品を除く)の製造が、「密封包装食品製造業」に該当します(上記2「営業許可業種の解説」の「密封包装食品製造業(第30号関係)」参照)。冷凍又は冷蔵によらない方法により保存した場合においてボツリヌス菌その他の耐熱性の芽胞を形成する嫌気性の細菌が増殖するおそれのないことが明らかな食品であるとして、厚生労働省令が定める本号対象除外の食品は、玄米、精米、麦類、そばの実、コーヒー生豆、焙煎コーヒー豆、茶、焙煎麦、はちみつ、乾ししいたけ、落花生(生鮮のもの及びゆでたものを除く)、節類、削節類、焼きのり、乾燥パン粉、ゼラチン、焼ふ、顆粒状又は粉末状の食品、顆粒状又は粉末状の食品を圧縮成形した食品及び顆粒状又は粉末状の食品をカプセルに入れた食品並びにこれらの食品を混合した食品並びに食酢とされています(食品衛生法施行規則66条の10)。なお、この対象除外食品は、従来は「食酢及びはちみつ」であったところ、令和311月の食品衛生法施行規則の一部改正によって追加され、上記のようになりました(施行規則の改正及び経過措置について、参照)。

「食品衛生法施行規則の一部を改正する省令の公布について」(令和3年1118日付け生食発1118第1号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11131500/000856820.pdf

・食品の小分け業(食品衛生法施行令3531号)

 平成30年の改正で新設された規定です。

 食品の小分け業とは、専ら「菓子製造業」(11号)、「乳製品製造業」(13号、固形物の製造に係る営業に限る)、「食肉製品製造業」(15号)、「水産製品製造業」(16号)、「食用油脂製造業」(19号)、「みそ又はしょうゆ製造業」(20号)、「豆腐製造業」(22号)、「納豆製造業」(23号)、「麺類製造業」(24号)、「そうざい製造業」(25号)、「複合型そうざい製造業」(26号)、「冷凍食品製造業」(27号)、「複合型冷凍食品製造業」(28号)、「漬物製造業」(29号)のいずれかに該当する営業において製造された食品を小分けして容器包装に入れ、又は容器包装で包む営業をいいます。

 アイスクリーム製造業(12号)、「密封包装食品製造業」(30号)は、小分けという概念が存在しないことから、31号の許可の対象には含まれません。「氷雪製造業」(17号)に関しても、氷雪販売業にて氷雪の小分けが行われますが、氷雪販売業は営業届出の対象に移行することから、31号の許可の対象となりません。「食肉処理業」(9号)については、処理された食肉を小分けにする行為が当該処理業に内包されていることから、31号の許可の対象とはなりません(上記2「営業許可業種の解説」の「食品の小分け業(第31号関係)」参照)。

 また、乳、乳製品(固形物を除く)、清涼飲料水、液卵、酒類に関しては、小分けを行う際の食中毒のリスクが高く、製造業と同等の設備を設ける必要があるので、小分けを行うに当たっても、各製造業の許可(7号、13号、14号、18号、21号)を取得することが要求されます(食品衛生法施行令各号参照)。

 

営業届出制度の概説

 前述のとおり、今般の改正によりHACCPに沿った衛生管理が制度化され、原則としてすべての営業者に HACCP に沿った衛生管理が求められることとなり(食品衛生法 51 第2項)、これに伴い、営業許可業種以外の一定の営業者についても、行政がその所在を把握し、必要な指導等を行っていく必要があることから、営業届出の制度が創設されました(食品衛生法第 57 条)。「許可」が、ある行為を一般的に禁止した上で、一定の要件を満たす場合にのみ禁止を解除するものであるのに対し、「届出」は、相手方の応答を予定することなく、一定の事項を報告するに過ぎません。そのため、届出には、許可要件としての施設基準(食品衛生法54条、食品衛生法施行規則66条の7、別表19ないし21)などが存在せず、許可よりもハードルが低くなっています。

(1)対象

 営業許可の対象となっていない業種を営む営業者は原則として営業届出の対象となりますが、食品衛生法571項は、括弧書で「公衆衛生に与える影響が少ない営業で政令で定めるもの」と食鳥処理の事業を対象外としています。

 「公衆衛生に与える影響が少ない営業として政令で定めるもの」は以下のとおりです。

① 食品又は添加物の輸入業(食品衛生法施行令35条の2第1号)

② 食品又は添加物の貯蔵又は運搬のみをする営業(ただし、食品の冷凍・冷蔵業は除く)(同2号)

③ 常温で長期間保存しても食品衛生上の危害の発生の恐れがない包装食品の販売業(同3号)

 具体的には菓子類(スナック菓子等)、カップ麺、清涼飲料水、酒精飲料、茶類等の製造・加工された包装食品を想定しており、生鮮食品は対象外とします(上記3「QA」の問19参照)。

 自動販売機による営業のうち、自動調理機能を有さず、常温保存可能な食品のみを取り扱うものについても同号の対象となります(上記1「令和元年12月通知」の別添第2、2、カ(2)参照)。

④ 合成樹脂以外の原材料が使用された器具又は容器包装の製造業(同4号、同施行令1条)

⑤ 器具容器包装の輸入又は販売業(同施行令35条の2第5号)

 食品衛生法68条第3項が規定する、営業以外の場合で学校・病院その他の施設にお   いて継続的に不特定又は多数の者に食品を供与する集団給食施設の設置者又は管理者については、飲食店営業の営業者と同じく HACCP の考え方を取り入れた衛生管理を行うものであることから、営業届出の対象となります(食品衛生法 68 条3項、食品衛生法施行規則 66 条の3第1号。ただし、これら施設が外部事業者に調理業務を委託している場合、受託事業者は通常の営業者と同様に飲食店営業の許可を受けなければなりません)。なお、集団給食施設のうち、1回の提供食数が 20 食程度未満の、少数特定の者に食品を供与する営業以外の施設については、届出は不要です(上記1「令和元年12月通知」の別添第2、2、ア参照)。

 農業及び水産業における食品の採取業は、食品衛生上の「営業」でないことから、営業届出の対象となりません。個別事例に対するその該非については、通知が出されています(1)。野菜果実販売業は営業届出の対象となります(同営業で附帯的に行う簡易な食品の加工等も含まれ得ること及びその例示について、上記1「令和元年12月通知」の別添第2、2、イ参照)。

 営業届出の対象となる営業は多種多様な種類が存在することから、日本標準産業分類を参考に、各業種の範囲が整理されておりますので、参考にしてください(2-1~3)。

1「農業及び水産業における食品の採取業の範囲について」(令和3422日付け薬生食監発 0422 12 号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000774306.pdf

2-1「営業届出業種の設定について」(令和2331日付け薬生食監発0331第2号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000624120.pdf

2-2「「営業届出業種の設定について」及び「「営業許可申請・届出等に関する様式、記載要領及び添付書類の取扱いについて」の一部改正について」の一部訂正について」(令和2128日付け薬生食監発1208第6号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000712107.pdf

3-3「「営業届出業種の設定について」及び「「営業許可申請・届出等に関する様式、記載要領及び添付書類の取扱いについて」の一部改正について」の一部訂正について」(令和21217日付け薬生食監発1217第3号)

https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000712121.pdf

(2)届出内容

 営業の届出をしようとする者は、以下の事項を記載した届出書を、営業施設の所在地を管轄する都道府県知事等()に提出しなければなりません(食品衛生法57条1項、食品衛生法施行規則70条の2柱書)。

① 届出者の氏名・生年月日・住所(法人の場合は、その名称・所在地及・代表者の氏名)(食品衛生法施行規則70条の2第1号)

② 施設の所在地(自動車において営業をする場合は、自動車登録番号)・名称・屋号又は商号(同2号) 

③ 営業の形態・主として取り扱う食品、添加物、器具又は容器包装に関する情報(同3号)

④ 食品衛生責任者の氏名(同4号)

食品衛生法76条により、保健所を設置する市又は特別区にあっては、「市長」又は「区長」とされています(ただし、政令で定める営業に関する政令で定める処分については、この限りではありません(「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律」附則12条及び「地域保健対策強化のための関係法執の整備に関する法律の施行に伴う特別区の事務等に関する経過措置に関する政令」(平成6年政令第222号)1号により、卸売市場に係る営業届出(食品衛生法571項)や自主回収の届出(食品衛生法58条)の事務は、当分の間、都が処理し、又は都知事が管理・執行するとされています)。

(3)その他

 食品衛生法施行規則70条の2柱書に基づいて営業の届出を行った場合において、届出た事項に変更が生じた場合(食品衛生法施行規則70条の2第2号については、自動車登録番号・名称・屋号又は商号に限る)には、営業施設の所在地を管轄する都道府県知事等に速やかに届け出なければなりません(食品衛生法施行規則71条)。施設の所在地を移転した場合には、廃業の届出と新規の営業届出が必要となります。

 また、営業許可には有効期間がありますが(食品衛生法553項)、営業の届出には有効期間はなく、更新をする必要はありません。

 廃業した場合には、届出が必要です(食品衛生法施行規則71条の2柱書)。

 

経過措置

 営業許可業種の見直しや営業届出制度の創設により、食品衛生法上の営業者の属性の変動が生じるため、営業者の事業継続に配慮し、経過措置規定が置かれています(食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(令和元年政令第123号。以下「改正政令」といいます)附則2条等)。

 経過措置の対象となるのは、施行日である令和3年6月1日以前から営業をしている者で、以下の6類型のいずれかに該当する者です。詳細については、厚生労働省のホームページ内の「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」(1)において、「経過措置に関する詳細」(2)(以下、「経過措置に関する詳細」といいます)や「営業規制の経過措置に関するQA」(3)が掲載されておりますので、ご覧ください。

1 厚生労働省「「営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kigu/index_00010.html

2 厚生労働省「経過措置に関する詳細」

https://www.mhlw.go.jp/content/000772321.pdf

3 厚生労働省「営業規制の経過措置に関する QA

https://www.mhlw.go.jp/content/000774291.pdf

① 改正前から許可業種であって、業種区分が存続する場合

 本来の有効期間の満了まで新規の許可取得は不要であり、その期間は旧施設基準を遵守すれば足ります(ただし、同期間中に製造可能な食品は従前の許可の範囲内に限られます)(改正政令附則2条1項、旧食品衛生法施行令35条各号、上記2「経過措置に関する詳細」の「法施行前から行われている営業に係る経過措置」及び「類型1及び類型2に係る経過措置」参照)。

<該当業種>

・飲食店営業 ・菓子製造業 ・乳処理業 ・食肉販売業 ・魚介類販売業

・清涼飲料水製造業 ・麺類製造業 ・そうざい製造業 など

② 改正前から許可業種であって、業種区分が変更される場合

 本来の有効期間の満了まで、新規の許可取得は不要であり、その期間は旧施設基準を遵守すれば足ります(ただし、同期間中に製造可能な食品は従前の許可の範囲内に限られます)(改正政令附則2条1項、上記2「経過措置に関する詳細」の「法施行前から行われている営業に係る経過措置」及び「類型1及び類型2に係る経過措置」参照)。

<該当業種>

・喫茶店営業 ・乳酸菌飲料製造業 ・魚肉練り製品製造業 

・冷凍又は冷蔵業(冷凍食品の製造) ・マーガリン又はショートニング製造業

・みそ製造業 ・しょうゆ製造業 

・ソース類製造業(密封包装された低酸性食品の製造) など

③ 改正により統廃合された2種類の営業を同一施設で行っている場合

 統廃合される2業種を同一施設で営んでいる場合であって、本来の許可の有効期限の到来が不揃いであるときには、いずれか遅い有効期間の満了まで、従前とおりの営業が可能です(改正政令附則2条2項、上記2「経過措置に関する詳細」の「法施行前から行われている営業に係る経過措置」及び「類型3に係る経過措置」参照)。

<該当業種>

・食用油脂製造業+マーガリン又はショートニング製造業(ただし、同一施設で営業、かつ許可期限が不揃い)

・みそ製造業+しょうゆ製造業(ただし、同一施設で営業、かつ許可期限が不揃い)

 なお、以下の業種も平成30年の改正により統合がされていますが、これらの業種についてはこの経過措置の対象とはなりません。

・飲食店営業と喫茶店営業 ・菓子製造業とあん製造業 ・複合型そうざい製造業

・複合型冷凍食品製造業

④ 改正により政令許可業種として新設

 新たに政令許可業種に指定される業種については、施行の時点で既に営業している者は、営業許可の取得に施行日(令和361日)から3年間の猶予期間が与えられます。これまで条例で自治体独自の許可業種とされており、今回、政令許可業種に移行する営業についても、同様です(改正政令本則9条、上記2「経過措置に関する詳細」の「法施行前から行われている営業に係る経過措置」及び「類型4に係る経過措置」参照)。

<該当業種>

・あじの開きや明太子などの製造(改正後の水産製品製造業)

・液卵の製造(改正後の液卵製造業) ・漬物の製造(改正後の漬物製造業)

・食品を小分けする営業(改正後の食品の小分け業)

⑤ 改正により政令許可業種から届出業種へ移行

 既に営業許可に基づく営業を行っている者は、施行日に届出をしたとみなされます。そのため、営業届出の手続は不要となります(改正政令本則10条、上記2の「経過措置に関する詳細」の「法施行前から行われている営業に係る経過措置」及び「類型5に係る経過措置」参照)。

  <該当業種>

・乳類販売業 ・食品の冷凍又は冷蔵業(食品の冷蔵・冷蔵保管業) ・氷雪販売業 

・食肉販売業(容器包装に入れられたものの仕入れ・販売のみを行う場合)

・魚介類販売業(容器包装に入れられたものの仕入れ・販売のみを行う場合)

⑥ 改正により許可不要業種から届出業種へ移行

 改正前まで許可不要業種であり、新たに届出業種と指定される場合には、既に営業している者に対し、施行日から6月以内に届け出ることとする経過措置があります(食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)附則8条)。

<該当業種>

 改正前に政令で定められていた要許可業種である34業種以外であり、改正後にも要許可業種、届出対象外業種のいずれにも該当しない業種がこの類型に該当します。 

 

おわりに

 食品衛生法の営業許可制度の見直し、及び営業届出制度の導入について紹介してきました。これにより、実態に合った営業許可制度の運用がなされるとともに、HACCPに沿った衛生管理がより実効的に行われることが期待されます。

 なお、「食品衛生申請等システム」を通じて、オンラインで営業許可申請や営業届出を行うこともできます。詳細につきましては、厚生労働省のホームページ()をご覧ください。

厚生労働省「食品衛生申請等システム」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/kigu/index_00012.html 

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